本当に自分の人生が空っぽになったような気がする。限りなく空虚だ。美味しいご飯を食べてもすぐその味を忘れる。失踪した夫という幽霊に人生を乗っ取られた気分だ。当たり前だけど、今話している人たちはみんな私のことを夫が失踪した可哀想な妻としてみる。私自身ですらそうみている。実際にそうなんだ。誰一人自分という存在をみてくれない、夫の出来事というレンズからしか見られない、生活できない。夫をなくした妻として寝て、起きて、ご飯を食べて、生きる。なんて虚しい。これがアイデンティティの喪失なのだろうか。
人に事情を打ち明けても助かるわけじゃない。なんならかえって傷ついて、自分で武装をして強くならなければいけない。同情や話すことで心は強くなるけど、誰も本当に意味で理解はしてくれない。すでに尊いものをもらっているのに、情けなく死にたいと願う。皮肉なことに、今までで唯一本当の私を見てくれた夫は私を捨てた。なんて苦しいんだ。大切な人の裏切りと喪失を同時に味わっている。せめて敵としてでも目の前に居続けてくれたらいいのにな。せめて生きているってわかるところに居てくれればいいのに。
むしろ人に話せば話すほど苦しい部分がある。けれど探すためには人に事情を打ち明けなければいけない。本当は探したくないけど、周りのことも考えると協力した方が良いし、自分の命がどこまで持つのかも危うい。望みの薄さから考えて正直やらない方が良いまである気がするけど、いざやってみると元気づけられる部分もあるかもしれない。自分はちゃんと彼に辿り着くための道筋を進んでいるように感じるのではないだろうか。
もういっそ彼と関係のないところに行きたい自分、彼をずっと待ち続けたい自分、どっちも本当の自分だから困るね。もう、実現できる範囲で実現してみようかな。ぷち旅行とか、そんな気分にはとてもなれないけど。うーん。